COPD・肺気腫

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、タバコの煙などの有害ガスを長い年月にわたって吸い込むことによって起こります。COPDの患者さんは多数いるとされますが、医療を受けている人はそのわずか5%程度と考えられており大多数が見過ごされている現状があります。COPDには肺気腫、慢性気管支炎の2つの病態が含まれます。肺気腫は肺胞の壁が破壊され、癒合することによって空気の溜まりが生じ、本来の肺胞の機能を果たさなくなります。慢性気管支炎はより中枢の気管に慢性の炎症が生じる状態です。両者とも呼吸機能検査で閉塞性障害(息をスムーズに吐き出すことができない)を呈し、また、治療方針もあまり変わらないためひとくくりにCOPDとして扱います。 持続するせきやたんは初期のCOPDの症状ですが、それほど特徴的ではありません。最も特徴的な症状は労作時の息切れです。この息切れは、血液中の酸素が足りない状態(低酸素血症)よりはむしろ、どれだけ肺に空気を出し入れできるかを表す換気能力に影響されます。COPDが進行すると食欲は低下し、体重が減少します。その機序としては、息切れ、エネルギー消費の増大、栄養障害、それらの悪循環が考えられます。運動中に大きく息ができないため呼吸数を増そうとしますが、十分な呼吸には至らず息苦しくなります。その結果多くのエネルギーが消費されるようになり、栄養状態が悪化、さらに呼吸する力がなくなるという悪循環となり、様々な合併症状も伴ってきます。このようにCOPDは単なる呼吸器疾患ではなく全身の疾患であると認識されています。
治療にあたっては、まず禁煙することが大切です。できるだけ早期に禁煙することによって呼吸機能の低下の速度をおとすことがわかっています。さらに、咳や息切れを軽くするための吸入薬や内服薬を処方します。病気が進行した場合には、薬物療法だけでなく呼吸リハビリテーションや在宅酸素療法が必要になってきます。

間質性肺炎

間質性肺炎は、肺炎と名前についていますが、細菌やウイルス(微生物)による感染症ではありません。間質性肺炎とは、肺のしなやかさが失われ、硬く縮んできて、空気からの酸素の取り込みが悪くなる病気です。肺をスポンジに例えると、真新しいスポンジはやわらかくふかふかしていますが、古くなると硬く縮んでしまうようなイメージです。現代の医学ではまだ根本的な病気のしくみが明らかではありません。複数の原因遺伝子や環境因子が関与して発病すると考えられており研究が進行中です。

間質性肺炎の中にはいくつかの種類の病気が含まれています。大きく分けて、原因がある間質性肺炎(二次性間質性肺炎)と、原因がわからない間質性肺炎(特発性間質性肺炎)にわけられます。二次性の中には、膠原病に随伴するもの、吸入粉塵に関連するもの、薬剤や放射線治療に関連した医原性のものなどが含まれます。特発性にも組織型によって予後が大きく変わるため、さらに細かい分類が試みられています。

一部の例外を除いて間質性肺炎に対する特効薬はなく、完全に治癒することは難しいのが現状です。間質性肺炎の分類によって抗線維化薬やステロイド剤などを使い分け、さらに進行した場合は在宅酸素療法などを行う必要があります。難治性の場合は専門施設と連携して診療いたします。